健康診断(猫の甲状腺機能亢進症 副院長クロのケース)2
今回は、副院長のクロのことについてお話しします。
当院を受診された方ならクロにあったことがない人はいないと思います。
現在クロは16歳の真っ黒な雄猫です。ここ数年は白いものが混じり始めました・・・
その頃からクロも定期的に血液検査(IDEXX社)を受けていましたが、
昨年末に看護師が体重減少、毛に艶がなくなってきた、高いところへジャンプできない等、
体調に変化がみられるとのことで、通常の項目に甲状腺ホルモンを加えて検査をしました。
その結果、甲状腺ホルモンが高値を示したので臨床症状と合わせて猫の甲状腺機能亢進症と診断しました.
ここで、猫の甲状腺機能亢進症でみられる臨床症状を以下に挙げます。
①体重減少 食事をとっているのに著しく体重が減少する。
②脱水・多飲多尿 たくさん水を飲んでたくさんおしっこをしているのに脱水する。
③筋力の低下 太ももの筋肉が細くなり以前のようにジャンプできない。
④ 被毛粗剛 毛艶が無くなり、硬い毛になります。
⑤興奮、攻撃的 体に触ろうとすると怒って噛みつこうとする。
⑥多動
⑦食欲不振 病気が進行すると極端に食事をとらなくなる。
などです。
クロにはチロブロックというお薬を処方しました。

お薬を投与し始めてからクロの体調は安定しました。
特に減る傾向がみられた体重が安定し、毛の艶もよくなりました。
病院受付のカウンターくらいならピョンと飛び乗れるようもなりました。
症状が改善してからも、薬の効果を確認するために毎月血液検査をしています。
クロのように健康診断で、早期に病気をみつけて、
すぐに治療を始めることができると回復も早く元気な状態が長く続きます。
血液検査は、検査を受けるネコちゃん、ワンちゃんのその時の年齢、体型、食べている餌、
身体検査、現在治療を受けている病気や飲んでいる薬、
以前にかかった病気を考慮して必要な項目を追加して行なっています。
オーダーメイドの血液検査を含めた定期的な健康診断は、
ペットが健康で可愛いいままあなたと一緒暮らすために必要です。
あさま動物病院 獣医師 原
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